生産者さんご紹介：奥能登最古の酒蔵「宗玄酒造」

投稿日 2024年3月14日
更新日 2024年4月15日
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料理人の作る割烹料理を、お店で食べるようにご自宅でも楽しんでいただきたい。
お世話になっている全国の様々な生産者さんの食材を加工・販売して、もっと広く世間にアピールしたい。

という思いで、皆さまに食をお届けするECショップです。

そんな関わりのある生産者さんをご紹介する当コラムで、今回は奥能登最古の酒蔵である「宗玄酒造」さんをご紹介いたします。

当社と宗玄酒造の関わり

宗玄酒造さんとの関わりは、弊社の代表である市瀬賢治があそび割烹さん葉かをオープンする前からになります。
現在も丸一グループのお酒の仕入れ先の一つであるセキヤ酒店さん(東京・上野)に宗玄酒造のお酒を紹介してもらったことがきっかけでした。

当時、市瀬が働いていた飲食店では九州から直送の魚を九州の甘い醤油で提供していたそうなのですが、「旨味がしっかりあって甘い！濃厚な味で、甘い醤油ともばっちり合う！」と一口で好きになったとのこと。
甘い醤油で食べるお刺身に宗玄を合わせるのが大好きになり、それほどお酒が強くない市瀬もついつい飲み過ぎてしまうこともしばしばあったそうです（笑）。

そんな「宗玄」に魅了された市瀬の、「自分達のお店を開いたら、宗玄をたくさんの人に知ってもらいたい！」という強い思いもあり、「あそび割烹さん葉か」が開店した当初より、メインの酒蔵さんとして取り扱いをさせていただいています。

さらに、スタッフやお客様と石川へ蔵見学に行ったり、宗玄酒造の方を店舗にお呼びして、宗玄の会というイベントを定期的に行うなど、お酒の取り扱いだけに留まらない交流をしており、当社とは切っても切れない間柄となっています。

宗玄酒造とは

宗玄酒造は、江戸時代中期の1768年に創業した奥能登最古の酒蔵です。
能登半島の先端に近い海沿いの町、石川県珠洲（すず）市に酒蔵を構えており、アクセスは車のみ。能登空港から車で約40分の距離です。
美しい海岸線のすぐそばに位置し、近くには景勝地の見附島もあります。

宗玄酒造における清酒作りの歴史は古く、宗玄酒造四代目の宗玄忠五郎氏の時代に遡ります。
当時、能登で一般に飲まれているお酒といえばどぶろくでしたが、宗玄忠五郎氏は当時日本一の美酒の醸造地として知られていた伊丹（兵庫県）で、清酒造りの秘伝を習得。その後、故郷の能登に戻って造ったお酒を「剣山」と命名して販売しました。
地方では初めてみる清酒であり、大変な名声を博したそうです。

創業250年を超える長い歴史をもつ宗玄酒造は、日本四大杜氏に数えられる能登杜氏発祥の蔵とも言われ、能登杜氏の伝統が息づいています。

能登杜氏とは、石川県能登半島の先端付近、珠洲市や内浦町を発祥地とする、日本酒を造る代表的な杜氏集団の一つです。
元々は、寒さが厳しく農業や漁業ができない冬の間、全国各地に酒造りのために出稼ぎをするようになったことが始まりでした。
現在も能登流（のとりゅう）と称される高度な酒造りの技術は、全国の酒蔵でも一目置かれています。

現在の宗玄酒造

現在、宗玄酒造において顧問杜氏をされている坂口幸夫氏は、能登杜氏四天王の一人と称される波瀬正吉氏のもとで修業をされた方。
能登流と呼ばれる昔ながらの酒造りに学びながらも、決して真似ることのない自分自身の新たな酒造りをされています。

仕込み蔵は明和蔵と平成蔵の二つがあります。
明和蔵の方では主に本醸造酒、平成蔵の方では純米酒、吟醸酒が造られています。

お酒の味わい

能登で造られているお酒は、濃厚な味わいのものが多いことが特徴です。
昔は厳しい肉体労働を終えた後に飲むことが多く、どっしりと旨みのある濃い味が好まれたためといわれています。
また能登は中世より塩造りの盛んな地域で、その豊富な塩を使った保存食や発酵食品が良く食べられており、それらとの相性が良いからという理由もあるようです。

宗玄酒造のお酒は、お米の旨味をしっかり感じながらもキレの良いお酒、というのが特徴です。